李人稙(号:菊初)の略歴
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1862年 |
京畿道陰竹郡巨門里(現在の利川市)で、韓山李氏胤耆と全州李氏の次男として生まれる。 |
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1863年 2歳 |
12月、李朝第25代国王、哲宗が崩御。大院君が政権を掌握、息子の高宗(1852~1919)が12歳で即位する(~1907) | |
1864年 3歳 |
高宗元年 東学の崔済愚が処刑される |
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1865年 4歳 |
景福宮再建工事が始まる(~1868) |
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1866年 5歳 |
実父死亡 丙寅教獄/邪獄(フランス人神父と信者たちを処刑)。 丙寅洋擾(7月、アメリカ商船シャーマン号。8月~10月、フランス軍艦を撃退) |
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1867年 6歳 |
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1868年 7歳 |
日本、明治維新。 12月、書契事件が起き、日韓関係停滞 |
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1869年 8歳 |
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1870年 9歳 |
伯父の李殷耆の養子になる | |
1871年 10歳 |
辛未洋擾(シャーマン号事件を口実にアメリカが朝鮮との通商条約を求めて江華島に進入) 大院君が斥和碑を建てる |
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1872年 11歳 |
養母死亡 | |
1873年 12歳 |
11月、大院君退陣。閔氏政権が成立する | |
1874年 13歳 |
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1875年 14歳 |
8月、江華島事件 | |
1876年 15歳 |
日朝修好条規調印。朝鮮の開国。釜山を開港 | |
1877年 16歳 |
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1878年 17歳 |
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1879年 18歳 |
実母死亡 | |
1880年 19歳 |
元山開港 閔氏政権が開化政策に転じる |
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1881年 20歳 |
紳士遊覧団が日本を視察。このとき随員の兪吉濬と尹致昊が初めて日本に留学 金玉均、朴泳孝などの開化派が勢力を伸ばす |
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1882年 21歳 |
4月、朝米修好通商条約調印。朝英修好通商条約調印。5月、朝独修好通商条約調印 6月、壬午軍乱。8月、高宗が正式に「開国・開化」を国是とするが、中国への宗属関係は続く |
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1883年 22歳 |
仁川開港。「漢城旬報』創刊 | |
1884年 23歳 |
開化派が金玉均らの急進開化派と金弘集らの穩健開化派に分裂する 露朝修好通商条約調印 10月7日、金玉均、朴泳孝らクーデター(甲申政変)を起こす |
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1885年 24歳 |
伊藤博文が天津に行き李鴻章と交渉して天津条約に調印する 復権した閔氏政権、ロシアに近づく。中国は牽制するため袁世凱を漢城に駐在させる |
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1886年 25歳 |
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1888年 27歳 |
毎年のように民乱が起きる | |
1890年 29歳 |
日本と清国の経済進出 | |
1892年 31歳 |
民乱が多発する 東学教徒が教祖の伸冤運動を始める |
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1893年 32歳 |
忠清道報恩と全羅道金溝に東学教徒が集まり「逐洋斥倭」を唱える | |
1894年 33歳 |
全琫準が挙兵(東学農民戦争第1次蜂起)、5月31日全州府に入城。閔泳駿率いる閔氏政権が清軍の出兵を求める。6月8日、清軍が牙山に上陸。日本も出兵して10日に漢城に入る。日清の挙兵を知った農民軍、全州和約を結び全州から撤退。 7月、日本が朝鮮政府に内政改革案を示す。日本軍が景福宮などを占領。豊島沖会戦=日清戦争勃発。金弘集政権成立。甲午改革始まる(~96年2月) 10月、秋の収穫期が終わり東学農民戦争第2次蜂起 11月、公州の戦いで農民軍敗北し、翌1月には抵抗を終える |
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1895年 34歳 |
4月、下関条約調印、清が朝鮮の宗属関係の廃止を認める 三国干渉ののち閔妃を中心に日本牽制のためロシアと接近 10月8日、閔妃暗殺(乙未事変)。断髪令施行 |
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1896年 明治29年 35歳 |
2月11日、軟禁されていた高宗がロシア大使館に逃れる(露館播遷) このとき李人稙は趙重應について日本に亡命したと推定される 7月、独立協会創立 ? |
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1897年 明治30年 36歳 |
? 10月、国号を大韓と改め、高宗が光武帝として即位する 11月、独立協会が独立門を作る |
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1898年 明治31年 37歳 |
? 10月、松本君平が神田に東京政治学校を創立する このころ東京政治学校で小松綠の「列国政治制度」の授業録を講習する |
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1899年 明治32年 38歳 |
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1900年 明治33年 39歳 |
2月、官費留学生となる。9月、神田の東京政治学校に入学する(~1903年卒業 3年コース) |
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1901年 明治34年 40歳 |
11月25日、都新聞の見習い研修生になる。(~1903年5月)。 |
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1902年 明治35年 |
「寡婦の夢」(1.18、29)「雪中慘事」(2.6)「韓国雑感」(3.1、2、9、27)『韓国閑話」(5.25、29、6.24、7.3、4)「韓国実業論」(12.20、21、24)を都新聞に発表 この年、東学教主の孫秉熙が日本に亡命。李人稙と交流 |
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1903年 明治36年 |
留学生に召喚命令が出る 「韓国新聞創設趣旨書」(5.5)を都新聞に発表 7月、東京政治学校卒業 |
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1904年 明治37年 |
2月、陸軍の韓語通訳として日露戦争に従軍(~5月) 日本に従軍した親日派だといって村人が家を焼き討ちし、一家が離散したという話が伝わる 9月6日、『国民新報』の創刊のための株式を集める広告を出すが失敗 |
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1905年 明治38年 |
3月、日韓同志会の母体となる東亜青年会に参加。4月に委員になる |
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1906年 |
2月、一進会の機関紙「国民新報」の主筆となる(~6月) |
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1907(隆熙元/明治40) |
3月、『血の涙』単行本を刊行(廣學書舗 現存せず) 5月17日~6月1日、「帝国新聞」に「血の涙(下篇)」を連載し中断 6月29日、「萬歳報」財政難で廃刊 10月、『鬼の声(上)』単行本を刊行(廣學書舗) |
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1908(隆煕2/明治41) |
3月、『血の涙』再版を刊行(廣學書舗 現存) |
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1909年 48歳 |
10月、安重根が伊藤博文を射殺 | |
1910年 |
明治43年8月29日、韓国併合 |
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1911年 |
6月、『血の涙』が発行不許可処分を受ける 7月、経学院司成(成均館官吏)に就任(~死亡時) |
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1912年 |
3月1日、「毎日申報」に「貧鮮郎の日美人」を1日だけ掲載 |
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1913年 |
2月、「毎日申報」に「牡丹峰」後編を連載するが4カ月で中断(2.5~6.3) |
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1914年 53歳 |
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1915年 54歳 |
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1916年 |
11月、神経痛で総督府病院に入院。11月25日、死亡 |
参考文献
糟谷憲一ほか 『朝鮮現代史』山川出版、2016
金榮敏 『韓国近代小説史』、ソル、1997
「李人稙と安國善文学比較研究―生涯と文学の主題比較を中心に」、『東方學志』
No.7、1991
「韓国の近代新聞と近代小説3―萬歳報」2014
具チャンニュル「新小説出現の歴史的背景―李人稙の『血の涙』を中心に」、『近代啓蒙期文学の再認識』、ソミョン出版、2007
ハムテヨン 「李人稙の現実認識とその矛盾―官費留学以前の行跡と『都新聞』所載の文章を中心に」『近代啓蒙期文学の再認識』、ソミョン出版、2007
「『血の涙』第二次改作研究―」大東文化研究57、2007
権寧珉校閲 『李人稙 血の涙』、ソウル大学校出版部、2001
李建志 「朝鮮料理「韓山楼」主人李人稙」、『京都ノートルダム研究紀要』No.32、2002
権寧珉 『韓国近代文人大事典』亜細亜文化社、1990
田尻浩幸 「李人稙と朝鮮近代文学の黎明」明石書店、2015